7歳という年齢は、小学校にも慣れはじめ、身体も大きくなってくる時期です。その一方で、車に乗る際の安全対策として「ジュニアシートはまだ必要なのか?」「もう外しても大丈夫なのでは?」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、7歳児にジュニアシートが必要かどうかを判断するために、道路交通法の規定、安全面からの根拠、JAFなど公的機関の推奨情報、シート選びの実用的な基準まで、網羅的に詳しく解説します。事故時のリスクや座席の選び方なども含めて、保護者が納得のいく判断ができるようサポートする内容となっています。
道路交通法の規定とジュニアシートの使用義務
日本の道路交通法では、6歳未満の幼児にはチャイルドシート(ジュニアシートを含む)の使用が義務付けられています(第71条の3)。これは幼児の体格に対し、車のシートベルトが適切に作用しないことがあるため、安全確保のための対策として規定されています。
ただし、6歳以上になると法的な義務はなくなるため、7歳の子どもに対しては「使用が必要かどうか」を保護者が判断する必要があります。ここで重要なのが、「法的義務がない=安全である」とは限らないという点です。
JAFが推奨する「身長150cm未満は使用継続」基準とは?
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は、子どもが身長150cmに達するまではジュニアシートやブースターシートの使用を継続することを推奨しています。
その理由として、車のシートベルトは成人の体格(およそ身長150cm以上)を基準に設計されているため、身長が足りないとシートベルトが首やお腹にかかってしまい、事故時に重傷を負うリスクがあるからです。
JAFによる実験では、身長135cmの児童が通常のシートベルトを使用した場合、首への圧迫や内臓へのダメージリスクがあることが示されています。これに対し、ジュニアシートを使用することで、シートベルトの位置が適正になり、体への負担が大幅に軽減されるといわれています。
事故データから見るジュニアシートの必要性
警察庁およびJAFが公開している交通事故統計によれば、チャイルドシートやジュニアシートを使用していた場合の致死率は、未使用時に比べて大幅に低下しています。
シート使用状況 | 致死率(0〜12歳) |
---|---|
チャイルド・ジュニアシート使用 | 約0.07% |
未使用 | 約0.35% |
このように、安全装置の使用により致死率は約5分の1に低下しており、年齢を問わず、体格に応じたシートの使用が安全性の向上につながると考えられています。
ジュニアシートの種類と7歳に適したタイプ
ジュニアシートは大きく2つのタイプに分けられます。「ハイバック型」と「ブースター型」です。以下にそれぞれの特徴をまとめます。
タイプ | 特徴 | おすすめの体格 |
---|---|---|
ハイバック型 | 背もたれとヘッドサポートが付属し、眠っても頭が安定しやすい。側面衝突にも対応しやすい構造。 | 身長100〜135cm、体重15〜30kg |
ブースター型 | 座面のみで軽量・省スペース。持ち運びが簡単。 | 身長125〜150cm、体重18〜36kg |
7歳の場合、まだハイバック型のほうがフィットしやすい体格の子も多く、座り心地や安全性を重視するならハイバック型が選ばれることが多いです。一方で、車の構造や収納の都合でブースター型を選ぶ家庭もあります。
ジュニアシートの選び方と購入時の注意点
ジュニアシートを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- Eマーク(ECE R44またはR129)など安全基準に適合しているか
- 子どもの身長・体重が製品の適応範囲に入っているか
- 車種に適合して取り付けがスムーズにできるか
- 長距離移動でも快適な座面や背もたれの素材か
また、中古品の使用には注意が必要です。目には見えない内部の破損や経年劣化がある可能性があるため、できる限り新品で信頼できるメーカーのものを選ぶことが望ましいです。
使用終了の目安とチェックポイント
次の項目にすべて該当する場合、ジュニアシートを卒業できる可能性があります。
チェック項目 | 目安 |
---|---|
身長が150cm以上 | ○ |
肩ベルトが首でなく鎖骨の中央にかかっている | ○ |
腰ベルトがお腹でなく骨盤に沿っている | ○ |
膝がシート前端で自然に曲がり、足がぶらつかない | ○ |
これらの基準に該当しない場合は、ジュニアシートを継続使用したほうが、安全性の面で安心といえるでしょう。
まとめ:年齢だけに頼らず「体格と安全性」で判断を
7歳という年齢だけで「もう大丈夫」と思ってしまうのは少し早いかもしれません。法的には6歳以上で使用義務はなくなりますが、体格がシートベルトに適合していなければ、安全性に不安が残ります。
保護者が日常の中で、お子さんの乗車姿勢やシートベルトのかかり方を確認し、必要に応じてジュニアシートを活用していくことが重要です。「備えあれば憂いなし」。命を守る選択肢の一つとして、ぜひ再検討してみてください。
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